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goethes erben


彼らが結成されたのは1989年のこと。メンバーはOswald HenkeとPeter Seiptの2人は、2本のデモテープ(後CD化)を作り、ライブを行なう。その後Seiptはバンドを去り、Henkeは新たなメンバーを迎え、1991年に正式なデビューアルバムとして "Das Sterben ist aestheisch bunt" (「死は美しく彩られ」)を発表。それ以降メンバーは変わりながらも、基本的にはOswald Henkeが中心となって、独特な音空間を作り上げてきた。Goethes Erben(以下GE)の基本アイデアは「ミュージック・シアターの中心にドイツ語を持ってくる」ということであり、歌詞はもちろん全編ドイツ語。キーボード中心の音の中を感のタイトルから見て取れるように、死と生、美、変容、夢といった、いわばドイツ・ロマン派的なモチーフを多様しているようだ(バンド名はゲーテだけれどね)。一応ジャンル的にはゴシック・ロックというのだろうか。コンサートは演劇的・視覚的に非日常的空間を現出せしめるものとなっている(といっても私は見たことないけど、そうらしいぞ)。1997年に出たアルバムは、プロデュースが、あの元Einstuerzende  Neubautenのジャンク叩き男FM.Einheitだそうだ。そのコンサート・ツアーにはバレエ団が同行して、さらに大掛かりな演劇的ショーを行なったそうだ。一度ぜひライブを見てみたいバンドである。 

■アルバム
image 1.Kapitel (1994)
このアルバムは1994年に出たけど、実はGEが結成時につくった2本のデモテープのCD化である。まさしくGEサウンドの出発点。1曲目から4曲目までが 、"Der Spiegel, dessen Weg durch stumme Zeugen zum Ende fuehrt"(鏡は無言の証人によって終わりへと至る道)、5曲目から8曲目までが、"Live-25.05.1990"を再録したものとなっている。ボーカルは「歌う」というよりも、もはや「語り」であり、ジャケットの表記も "Worte"(ことば)となっている。 打ち込みドラムとピアノの分散和音やシンセ・ストリングスの上をHenkeの語りが重々しく陰気に這い回り、時に爆発する。闇の中に瞬間瞬間光がきらめくといった感じだ。ぜひ聴いてほしい。 暗闇の中に古びた楼閣の描かれたジャケットも、いかにもゴシック風で音とマッチしている。
image Das Sterben ist aesthetisch bunt (1991)
正式なデビュー・アルバム。メンツはOswald Henke(言葉担当)とMindy Kumbalek(キーボード、パーカッション、サックス担当)、そしてConny R(アコースティック・ギター担当)だ。あと数名のゲスト・ミュージシャンを加えて制作された。1.Kapitelの時よりも音が少ないような感じ。でも基本は変わってない。印象的なピアノのメロディ、けだるい雰囲気、死への憬れを切々と語り歌う。個人的には、「私は、死が笑うのを見た・・」と繰り返し、友人、親、子供などの死と出会うことによって、呼び覚まされる死への恐怖と憧憬が描かれる4曲目と、死んだ恋人(たぶん)への欲望を狂おしく歌い上げる5曲目が特にいい。このアルバムは全体的に意外と静かな感じ。パーカッションはそんなに目立たない。それよりもピアノがリズムを刻んでいく。ジャケットと音がよくマッチしている。 メンバーのふたりが絡む裏ジャケットがなんとなく妖しい(耽美というより、お耽美的・・・)。たぶん"Die letzte Nacht"のライブだろう。
image Der, Die, Das (1995)
1995年に出たミニアルバム。ドラムとベースがきっちりとドイツ伝統のどんどこリズムをきざむ。そしてキーボード、サックス、チェロ、ベース、ギターが暗鬱ながらもちょっとポップになった音を作り上げている。非常にロックっぽい。昨今の Neubautenっぽい。1曲めが5曲めへと回帰するという構成。そしてラストの曲はもろノイズ。耳をつんざく轟音だ(どことなくイタリアのロックバンドAreaのアルバム"Crac!"のラストの曲に似ているような)。なおジャケットは半透明の紙一枚で、CDに描かれた蝶が透けてみえるという非常に美しいものだ(その代わり歌詞が書いてないが・・・)。この画像はアレですけど、実物はもっと奇麗です。

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