toten hosen

roten rosen

Die Toten Hosenはドイツでかなりの人気を誇っているバンドだ。実は以前、日本盤のCDがでたこともあったし(Love, Peace & Money)、日本でもそれなりに知られている(確かジョニー・サンダースの追悼アルバムにも参加していたはず)。彼らが結成されたのは1982年にさかのぼる。デュッセルドルフで活動していた2つのパンクバンドのメンバーが集まって結成されたのがDie Toten Hosenだ。6つのギターと2つのドラムのビッグバンドというのが最初のメインアイデアだったという。1983年に最初のシングルレコードを出し、同じ年に最初のアルバム Opel-Gang を発表する。それ以来コンスタントにアルバムを出している。 歌詞は基本的にはドイツ語だが、英語で歌ったアルバムも出している。Die Aerzteとともにドイツの二大人気パンクバンドだが、パンクバンドというよりも、ドイツ(語)ロックを代表する若者に人気のロックバンドと言えそうだ。実は今年(1998年)の2月にイベントで来日し、ライブをやったらしい。でも、たぶん英語で歌ったのではなかろうか。でもやはり彼らにはドイツ語が似合う。

■アルバム
image Kauf Mich! (1993)
このアルバムには、シングルで大ヒットし、おそらく彼らの一番の人気曲である 「Alles aus Liebe」が収録されている。 それだけでも買いだ!他にもタイトル曲や、ドイツ在住トルコ人差別問題を扱った童謡風 「Sascha...ein aufrechter Deutscher」といった名曲が収録されている(たぶん元ネタがあると思うが分からない)。なおジャケットには記載されてないが、最後の16曲め 「Katastrophen-Kommando」が終わった後およそ15分後におまけの曲が始まる。
image Opium fuers Volk (1996)
アルバムタイトルは「民衆の阿片」、もちろんカール・マルクスの有名な言葉から取られている。美しいグレゴリオ聖歌風男声合唱から始まり(元ネタは同名のトラッド)、宗教をテーマにした曲や、シングルヒットを飛ばした「Bonnie & Clyde」や「Zehn kleine Jaegenmeister」(民謡「Zehn kleine Negerlein」のパロディ)などの名曲が並ぶ。私が始めてDie Toten Hosenを聴いたのはこのアルバムです。非常に硬質で社会派的な歌詞を歌ったストレートな曲が並ぶ。結構メロディアス。
image Im Auftrag des Herrn... Live (1996)
Opium fuers Volk発売後の1996年のツアーを音源とするライヴ・アルバム。選曲はほとんどがこのOpium と、Kauf Mich!から取られている。また、The Ramonesや、Iggy Popの曲も演奏している。客の反応が激しく、ライブならではの興奮が味わえる。Alle aus Liebeの合唱も感動的で、後にシングルカットされた(みんな好きなのね)。はじめて聴くならこれがいいかも。これと同じ音源のビデオも出ているようだ。歌詞なし。

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一枚目のアルバムのジャケットによれば「以前はある有名なパンク・ロック・バンドのローディーをしていた」そうであるが、Die Toten Hosen の覆面バンドであることは誰もが知っている。アルバム一枚目時点でのメンバーは、Judas Inocenti(Vo)、Vid Sicious(bass)、Kirschwasserkoenig(Dr)、Digger Barnes(G)、Ruediger(G)とクレジットされている(笑)。現在のところ(1998年時)アルバムは2枚でている。基本的な音楽スタイルはDieToten Hosen と何ら変わりもないのであるが、既存の曲のカヴァーを中心として演奏することをその特徴とする。一枚めは50年代から70年代にかけてのドイツ・シュラーガー (Schlager:歌謡曲)のカヴァーだし、二枚目はクリスマスソングのカヴァーである。一枚めを出して以来しばらく活動をしていなかったが、1997年あたりのDie Toten Hosenのコンサートの前座に登場しており、2枚めの制作の布石になったのかもしれない。

■アルバム
image Never Mind The Hosen: Here's Die Roten Rosen (1987)
Die Roten Rosenのファーストアルバム(Die Toten Hosenとして数えると5作め)。ジャケットやタイトルは一目瞭然、セックス・ピストルズのパロディだが、中身はドイツ・シュラーガーのパンク版カヴァーアルバム。きっとドイツの人ならば聴いたことがある懐かしの曲が並んでいるのだろう。内ジャケのメンバー集合写真の場所は墓場であり、花に添えられた「ドイツ・シュラーガーへの静かなる追悼」との文字がアルバムのコンセプトを十二分に表わしている。とはいえ、我々日本人にとってはアルバムに込められた含みを考えなくても、ポップでメロディアスなパンクロック曲集として楽しめる。おそらくドイツの若者にとってもそうであったのか、Die TotenHosenが最初にブレイクしたアルバムでもある。これを機に(Die Roten Rosenではなく)Die Toten Hosenは人気グループになっていくのである。
image Wir warten auf's Christkind (1998)
11年ぶりの2ndアルバム。現在大ヒット中(1998年12月現在)。メンツはJudas Inocenti(Vo)、King "Scratch" Solomon I(G)、Johannes der Saeufer(G)、 Cardina Mendoza(B)、 Herr Rohdes(Dr)。あいかわらずすかした名前が並ぶ。この11年間何をやっていたのかについては彼らのHPに掲載されているヴォーカルのJudas Inocentiインタビューを読むと詳しく分かるが、なんでもインドにいってグル(師)の下で修行をし、戻って来てからはスタジオにいたらしい。ジャケット内にも書かれている。「我々がそのあいだ中いったいなにをやっていたかって?答えは簡単だ。我々はスタジオにいたのだ」。まあ、それはともかく、クリスマスアルバムである。聴いたことのある曲がずらりと並んでいる。個人的には喉の血管切れそうな歌唱の20曲めがお勧め。クレジットを見ると6曲めはオリジナルの新曲のようであり、このアルバムに先行してシングルとして発売された。17曲めはジョン・レノン の曲。アルバム発売後、Die Toten Hosenとともにツアーを行なった。

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